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2009年6月16日 (火)

映像を作るという生業について考えてみた

映像を作るということを仕事にするというのはどういうことなのか?
最近そんなことを時々考える。
それは、自主映画を志す20代の人がよく会社を尋ねてくることと、現在読んでいる
「ドキュエンタリー映画の地平」という佐藤真氏の著作の影響である。

自分は大学在学中にテレビ番組制作を仕事にすることを決めた。
なぜ、テレビ番組制作を志したのかというと

1)海外旅行が好きで、旅に行けて、そこで感じたことを形にして発表したかったから。
2)新世界紀行やNHKスペシャルを夢中になって見ていたから。
3)映画よりテレビの方が仕事にするための道筋が分かり易く、給料もちゃんと貰えそうだったから。

の3つぐらいの理由だったと思う。

テレビ番組制作会社に入社して、ADを3年ほどしてからディレクターをやらせてもらい、5年後に独立してフリーランスになった。
結局10年以上に渡ってテレビ番組制作の現場にいたが、入社当初に考えていたことは、私の力不足故にほとんど実現できなかった。
入社当初に考えていたこととは、例えばこんな感じだ。

「星野道夫の世界を映像化したい」
「宮本常一の生涯を2時間の特番にしたい」
「インドネシアのラマネラ島のクジラ漁を撮影したい」

自己実現しか考えていないバカ者なので、上司達は煙たかったと思う。

そんな私は、来るべき未来を夢見て、目の前の「なんだかな〜」と思う番組を一生懸命作っていた。

「なんだかな〜」の中にも、クリアしなければ仕事として成立しないポイントはたくさんあるし、「なんだかな〜」をクリアして得た評価以外に来るべき未来をもたらすものはない。

そんなことで、どんどん近視になって、やがて志を忘れて行くというのが、一般的なテレビマンの生き方なのかもしれない。

一方で、「ドキュエンタリー映画の地平」に登場するドキュメンタリー作家達は
「己の価値観」のみを頼りに、しがらみは極力排除し作品作りに没頭する。
彼らの辞書に、「効率」「能率」などという言葉散在しない。
多くの者が、赤貧に耐え、時に精神を病み、世間的には無名のままであっても作品を残す。

たとえどんなに他人に迷惑をかけ恨みやしこりを残そうと、たとえほんの一部のマニアしか知られていない存在であろうと、10年、20年、時に90年と見られ続ける作品を残すのがドキュメンタリー映画監督である。

一方で、テレビという許認可事業の枠の中で、様々なしがらみと戦いながら、少しでも自分の作品にしようとあがき、一度、あるいは数回放送されるとその後は何も残せないテレビディレクターたち。

それは、「作家としての主体性の在り方」の問題でもあるし、単に「商品としての流通経路の違い」であるのかもしれない。

インターネットの登場で、社会が「効果検証」「投資効率」に大きく舵を切っている中、これまでは不可能だった全く新しい形態で映像を仕事にする方法があるように感じる。

だからこそ、これから映像を仕事にするなら、様々な手法、論理、思考、行動を実践し血肉化しないと生き残れないと断言できる。

不惑を前にしたおっさんもしかり。

という訳で、これまでの私のテレビマンとしての得たものを振り返りつつ、新しい姿を見つけるべく、映像制作に関する講座を行うことにした。

ぜひ、ご参加頂ければ、幸いである。

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